見過ごされる「男性」の性犯罪被害

見過ごされる「男性」の性犯罪被害 今日は,「男性」の性犯罪被害に関する記事です。
 
 性犯罪の被害者の大半は女性だが,男性の被害者も存在することは,あまり認識されていない。卑劣な犯行により被害者が計り知れない精神的なダメージを受けることは,男女に差はないはずが,男性被害者の割合が全体の2~3%と少ないことから,被害者に対するサポート態勢が整っていないのが現状だ。本人の恥の意識や周囲の理解が得られないことなどから,泣き寝入りするケースも多いという男性の性被害の実態とは,どのようなものなのか。(産経WEST
2014年05月07日 07時00分)

 刑法176条は強制わいせつ罪を規定します。「十三歳以上の男女に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は六月以上十年以下の懲役に処する。」(刑法176条本文)とあるので,男性も性犯罪被害者になることは刑法上も想定されています。強制わいせつ罪は個人の性的自由を保護法益としており,これは男女平等に認められるものであるからです。もっとも,男性が被害に遭ってしまった場合には,被害に遭ってしまった自分は同棲に好かれるタイプなのかなどと悩むこともあり,警察等の捜査従事者も自分を(被害者であるにもかかわらず)好奇な目で見るのではないか,また,事を荒立てて周囲に同性から性犯罪被害に遭った事実が知られてしまうのが恥ずかしい等の,女性とは違った意味で「言い出しにくさ」があると考えられます。そうなると顕在化自体が稀で,さらに相談先や支援体制となると見当たらないのが現状です。

 このように,被害者が男性であっても,犯罪が成立することはもちろん,心に傷を負ってしまうこともまた女性の場合と同様です。

 昨今の性犯罪に対しての社会的非難の高まりもあって,性犯罪被害にあった場合の相談先は増え始めています。性犯罪被害の多くは女性にありますが,男性も被害者となっていることもまた事実です。このことを社会が改めて認識することで,男性の性犯罪被害についての支援が充実することを期待します。